日本小児神経学会

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理事長挨拶

Last Update:2017年2月17日NEW

日本小児神経学会 第8代理事長 高橋孝雄

小児神経学が関わる領域は、幅広く、奥深いものです。個体発生から始まり、胎児期を経て、未熟児・新生児医療から、思春期医学、移行期医療へと、発育、発達の問題を中心に、我々の事業は時間軸に沿って連続的に展開しています。さらに、“横の広がり"においても大変大きなフィールドを有しております。リハビリテーション、脳神経外科、神経内科学などの臨床医学や神経病理学、神経生物学などの基礎医学領域との接点も豊富です。さらに医療行政との連携も含めて、社会医学的側面での活動の場も多くあります。このように小児神経学は、小児医学・医療に関するおおよそ全ての領域に強く深く関わっております。小児科学のサブスペシャリティー領域のひとつではありますが、総合的である、という観点からは、小児科学のエッセンスではないでしょうか。

われわれの活躍の場は多岐にわたるため、同時に、多くのミッションを担っております。たとえば、社会医学的な視点を忘れず、また、医療倫理の側面にも配慮して、数々の指針や臨床研究を提案する使命があります。発生、分化などに関する基礎研究、あるいは臨床遺伝学の成果を実地臨床に生かす橋渡し研究の推進役を担う義務があります。臨床場面に限らず、学術団体としてのプレゼンスをより一層高めて行く機会は多々あると思われます。

さて、学会の更なる発展のためには、若手医師に選ばれる専門領域であり続ける必要があります。そのためには、まず、専門医育成のための環境整備、専門医制度の充実が急務です。今後、全ての専門医制度は到達目標提示型からカリキュラム重視型に移行していくと考えられ、これは、若手医師のキャリア選択にも大きな影響を及ぼすはずです。我々は、専門医制度の整備、運営において、少なくとも国内では既に一目置かれる学会となっております。専門医制度の改革において、サブスペシャリティー領域で小児の独自性が特に認められた数少ない専門領域であります。立派な専門医制度を確立してはおりますが、これを今後しっかり運営し、発展させていく必要があります。

学術団体としてリーダーシップを発揮していくことも重要です。関連領域、特に小児科全般、てんかん、臨床遺伝、先天異常、神経科学などの領域において、それぞれの専門学会との連携を強化し、さらなるリーダーシップを発揮することが求められていると感じております。また、世界最大の小児神経学会として、国際社会でもさらに影響力のある学術集団を目指していきたいと思います。例えば、優れた研究成果がしっかりと海外に発信されることが、国際学会における本学会の地位向上に不可欠です。わが国の小児神経学の真の発展のためには、研究領域においても本学会が中心的役割を担う必要があります。自然科学としての小児神経学を発展させることで、学術団体としての学会を一層発展させていきたいと思っております。

小児神経学が“選ばれる専門領域"であり続けるために、関連領域を牽引する強いリーダーシップを発揮し続けるために、本学会の誇らしい伝統とすばらしい実績を輝かしい未来につなげていくために、会員の皆様と力を合わせていきたいと思います。

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