日本小児神経学会

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Last Update:2017年2月6日

小児神経Q&A

Q82:子どものAD/HD治療に抗うつ薬を使っても大丈夫でしょうか?

AD/HDの治療薬についてはQ20を参照して下さい。AD/HDには通常抗うつ薬は使用しません。しかし、うつ症状や強迫症状(ある考えが執拗に頭から離れない、何度も同じ行動を繰り返すなど)が合併する場合、使用されることがあります。ただし日本で発売されている抗うつ薬の小児への使用についての安全性は十分に確立していないのが現状です。これは発達障害に使用される他の治療薬(AD/HDの治療薬や一部の薬を除く)が適応外使用されているのと同様です。内服したときの副作用についてはある程度予測がつきますが、長期間使用したときの体や脳に対する影響については明らかでありません。しかしながら、十分な治療を受けないことによって本人の症状が悪化し、これが将来的に大きな問題に発展するかもしれません。そのため、治療により症状が軽減して本人の生活が改善するメリットと、内服することで将来的に何か起こりうるかもしれない不安やデメリットとを天秤にかける必要があります。主治医の先生と、どういった症状に対して治療しているのか、どういうメリットがあるかなどをよく相談して、納得して治療を受けるのが良いでしょう。効果がないのであれば、漫然と使用する必要はありません。

(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科発達神経病態学 岡 牧郎/2016年7月QA委員改変)

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