日本小児神経学会

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Last Update:2019年5月13日

小児神経Q&A

Q62:発達障害児の早期発見のポイントはありますか?

 発達障害とは、発達障害者支援法において「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害など の脳機能の障害で、通常低年齢で発現する障害」と定義されています。ここでは「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害」、「学習障害」、「注意欠陥・多動性障害」の3つの障害に対する早期発見のポイントについて記します。
 「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害」では、言葉の発達が遅れていることが多く、この場合には1歳6か月児健診や3歳児健診で気づかれることが多いのですが、言葉の発達が遅れないアスペルガー症候群では、既存の乳幼児健診では気づかれにくいようです。
 厚生労働省は、1歳6か月児健診ではM-CHATという質問紙を使って、3歳児健診ではPARSという質問紙を使ってスクリーニングすることを推奨しています。総務省は厚生労働省への勧告の中で5歳児健診も一つの気づきの場であると記しています。そのほか、保育所や幼稚園などで、一人遊びが多い、集団行動が取りにくい、こだわりがあるなどがきっかけで気づかれることがあります。
 「学習障害」は、知的発達には明らかな遅れはないのに読み書きや計算にとても大きな困難があります。早期発見が重要ではありますが、学習障害についてはあまりに早い幼児期で疑うことは慎重にすべきです。小学校入学後の早い段階で気づくことができるとよいでしょう。例としてはひらがな文字の音読がなかなか習得できない、あるいは10までの数の分解と合成が習得できないなどが挙げられます。
 「注意欠陥・多動性障害」は、多動・不注意・衝動性の3つの行動で特徴づけられます。年齢や発達状況から見て、あまりにも落ち着きがなく衝動的に動く、あるいは集中することが苦手で長続きしないなどの行動特性に着目するとよいでしょう。

小枝達也(国立成育医療研究センターこころの診療部)2019年5月1日改変

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