日本小児神経学会

会員専用ページログイン
Last Update:2017年2月6日

小児神経Q&A

Q44:ナルコレプシーの原因や症状について教えてください。

ナルコレプシーの患者さんはオレキシンという物質の脳脊髄液中の濃度がきわめて低いとされています。風邪などをきっかけに急に症状が出る方もあることから、感染がきっかけとなって、オレキシンを作る神経細胞が感染源と間違って攻撃され、オレキシンを作れなくなる、という仮説も提唱されています。最近になって、ナルコレプシーの患者さんでは免疫を担っている細胞に一定の異常があることが発見され、この仮説に関心が高まっています。

ナルコレプシーの代表的な症状は、日中突然眠ってしまう睡眠発作です。ただ寝不足の時や午後2時ごろには誰でも眠くなります。眠くなるからすぐにナルコレプシーを疑う、というわけではありません。ナルコレプシーの症状は、例えば会議のプレゼン中に寝てしまう、自転車をこいでいる最中に寝てしまう、試験中に寝てしまう、野球の試合中守っている間に寝てしまう、といった通常考えにくい場面での「睡眠発作」です。このほか喜びや驚きといった強い情動をきっかけに全身の力が抜けてしまう発作(情動脱力発作)を起こす方もいます。また、ナルコレプシーの方の場合、寝入りばなからレム睡眠となって夢(怖い夢のことがあります)を見てしまうことが多いです。これは入眠時幻覚と呼ばれますが、場合によっては現実との区別が難しく、幻覚と判断され、統合失調症と間違われてしまう場合もあります。さらに通常夢を見ている時には脳から全身に動くな、という命令が出ていて、夢通りの行動は起こすことができません。そこで目が覚めたのに、この命令がとれていないと、いわゆる金縛り(睡眠麻痺)、となります。ナルコレプシーの方では睡眠麻痺を経験なさる方も少なくありません。

(東京ベイ・浦安市川医療センター 神山  潤/2016年7月QA委員改変)

このページの先頭へ