日本小児神経学会

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Last Update:2019年5月1日

小児神経Q&A

Q29:重度障害を持つ子どもの便秘を放っておくと体に良くないでしょうか?

重度の障害を持つお子さんには、慢性的な便秘になりやすい多くの理由があります。寝たきりであまり体を動かさなければ腸への機械的な刺激も少なく腸のぜんどう運動や便意が弱くなりますし、筋緊張の異常をともなう運動障害のため踏ん張れないお子さんが多いでしょう。また、このようなお子さんの多くは口の動きや食べものを飲み込む機能が低下していることに加え、胃の内容物が食道に逆流を起こして吐きやすいなどの理由から、食事や水分が十分に取れないことも多くなります。食物繊維の摂取が少ないと便量が少なくなり、水分摂取が少ないと便が固くなるため、いずれも便秘の悪化につながります。筋緊張の亢進にともなう痛みや、重度障害のお子さんでしばしば見られる夜間の不眠が自律神経に影響し、腸のぜんどう運動を抑えて便秘の原因になることもあります。
便秘は誰にでもあることと甘く見ていると、容易にお腹の張り、嘔吐、食欲不振、腹痛、そしてこれらの体調の悪さに伴う筋緊張の亢進・発汗、などの症状を呈してきます。またこのように重度の障害を持つお子さんの場合は慢性的で強度の便秘がイレウス(腸閉塞)という重篤な状態につながることもあります。これまで記してきた事柄に配慮しながら積極的に対応し、それでもうまくいかない時には主治医にご相談されることをお勧めいたします。

(北海道立旭川肢体不自由児総合療育センター小児科  田中 肇/2016年7月QA委員改変)

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