日本小児神経学会

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Last Update:2022年12月16日

小児神経Q&A

Q27:デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)のステロイド治療について教えてください。

ステロイド治療はDMDの進行抑制に対して客観的な評価が得られている治療法です.5歳頃の運動機能の発達が止まった時期あるいは低下し始めた時期から開始することが勧められます.ステロイドの1種であるプレドニゾロンの場合には体重1㎏あたり1日0.75㎎(体重16㎏の場合には1日あたり12㎎)で開始することが国際的に推奨されています.ステロイド治療開始までに通常のスケジュールに沿ってワクチン接種を済ませておくとよいでしょう.

ステロイド使用による副作用には、肥満、多動・イライラ感、骨そしょう症、低身長、満月様顔貌、多毛、耐糖能低下、白内障・緑内障などがあります.ステロイドの副作用は投与を考える場合に心配になられると思いますが、他に代わる薬剤は存在しませんので、有効性と副作用のバランス踏まえて筋ジストロフィーのことをよく知っている医師と相談されることを勧めます.副作用を定期的にチェックしていくことも重要です.ステロイドの有効性については、歩行可能な期間の延長に加えて、呼吸機能、心機能や側弯症の進行抑制に関するデータが報告されており、長期投与が行われるようになっています.

2022年1月 日本小児神経学会広報交流委員会QA部会

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