日本小児神経学会

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Last Update:2022年12月21日

小児神経Q&A

Q13:てんかんのケトン食療法について教えて下さい。

 ケトン食療法は、糖質(炭水化物から食物繊維を除いたもの)を減らし脂質を増やした食事で、脂質が分解されてケトン体が体内で作られることで効果を発揮します。日本では平成28年にてんかん食という名前で、難治性てんかん、グルコーストランスポーター1欠損症、ミトコンドリア病を対象に保険適応となっています。
 日本ではあまり普及していませんが、欧米や韓国では難治性てんかんの治療法の一つとして確立しています。お米、パン、麺類など糖質の多い食材はできるだけ使わないようにし、砂糖の代わりに人工甘味料を使用し、卵、豆腐、肉、魚主体の食事に食用油を添加し、食事中の脂質/(糖質+タンパク質)の比率(ケトン指数)を3~4:1にします。医師を通じて入手できる特殊ミルク(ケトンフォーミュラ)はケトン指数が2.9となっており、いろいろな料理にも利用できます。タンパク質の摂取は制限せずに糖質のみを10~15g/日に制限し、脂質を多めに摂取する修正アトキンス食も有効性が報告され、特に学童期以降ではケトン食よりも継続しやすくなります。
 いずれもバランスの偏った食事なので医師と栄養士の指導が必要です。

2022年12月 日本小児神経学会広報交流委員会QA部会

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