日本小児神経学会

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Last Update:2022年12月16日

小児神経Q&A

Q77:読み書き障害の診断検査、治療的な関わり・介入法にはどのようなものがありますか?

 全般的な知能が正常であるにも関わらず文字が正確にあるいは流暢に読めないといった障害であるため、診断するために知能検査の他に、音読検査を行う必要があります。音読検査とは、ひらがな文字、単語、文の各課題を音読してもらい、音読に要した時間や読み誤り数・パターンなどを計測する検査です。この検査での音読時間や誤りパターンなどを総合的に判断して、読字障害が疑わしければ次の段階検査の要否を判断します。
 他の検査結果から総合的にみて読字障害と診断された場合、学業不振だけではなく、学習以外の意欲の減退や心身症、不登校など学校生活における様々な問題に発展することがあるため治療的な関わりが必要となってきます。その場合、モチベーション維持目的でグループ学習をすることもありますが、基本的にはそれぞれの能力に合わせた個別指導が推奨されます。内容はひらがな清音の読み書き練習を行うことが有効なお子さんもいますし、語彙を増やす必要のあるお子さんもいます。その他、文字や単語の音読練習、文字-音韻関係の習得、イラストの提示による単語の意味教示の他に、モチベーション維持のためにパズルやクイズを利用した学習なども行われています。

2022年10月 日本小児神経学会広報交流委員会QA部会

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