日本小児神経学会

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Last Update:2022年12月16日

小児神経Q&A

Q76:読み書き障害とは何ですか?

 学習障害のうち、最も知られており、研究が進んでいるのが「特異的読字障害」です。読字の障害があると結果的に書字障害も呈するため、読字障害イコール読み書き障害と表現されることもあります。読み書き障害の背景には、表記された文字を対応する音に置き換えることができないといった音韻化の障害があります。そのため、正確あるいは流暢な単語認識が困難である、文字記号の音声化が稚拙になるといった特徴がみられます。
 また、二次的に読解能力の低下や読む機会の減少といった問題が生じ、語彙の発達やその背景となる知識の増大が妨げられることになります。その結果学業上の問題が出現し、不登校など社会適応の問題が併発することにもなります。就学以前に発見されることはまれであり、就学後に両親や担任が読み困難に気がつく場合がほとんどです。また、小学校3年生以降に漢字の習得困難をきっかけとして見つかることも多いです。

2022年10月 日本小児神経学会広報交流委員会QA部会

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