日本小児神経学会

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Last Update:2019年7月3日

小児神経Q&A

Q1:てんかんをもっている児は予防接種ができませんか?

 1994年に予防接種法が改正され、けいれん既往児にも積極的に接種がされるようになりましたが、未だに「うちの子はてんかんがあるので、生まれてこのかた予防接種をうけたことがない」という患者さんのお母さんにお会いすることがあります。そこでここでは日本小児神経学会が推薦した「てんかんをもつ小児に対する予防接種指針」を参考にお答え致します。
 この指針は毎年予防接種リサーチセンターから出版される予防接種ガイドラインにも採択されています。これによれば、てんかんをもつ小児は、感染症に罹患した際、発熱によるけいれんの再燃や重積症などのリスクが高い場合があり、むしろ積極的に行うことが望ましく、以下のような具体的な基準が設けられています。コントロールが良好なてんかんをもつ小児では、最終発作から2、3ヵ月程度経過し、体調が安定していれば現行のすべてのワクチンを接種して構いません。この様な場合以外のてんかんをもつ小児においてもその発作状況がよく確認されており、病状と体調が安定していれば主治医(接種医)が適切と判断した時期にすべての予防接種をしても差し支えありません。
 この他にも種々の基準があり、個々の例について、状況は異なります。一度主治医の先生か、お近くの小児神経専門医にご相談ください。

吉永治美(南岡山医療センター重症心身障害児(者)センター)2019年5月1日改変

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