日本小児神経学会

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Last Update:2019年5月13日

小児神経Q&A

Q66:子どもでも高次脳機能障害の検査はできるのでしょうか?

 高次脳機能障害の検査の主体は心理検査です。子どもで行える心理検査は限られていますが、専門の病院では、子どもの症状に合わせてある程度の検査を行っていきます。しかし高次脳機能障害の診断で最も大切なのは、日常生活や学校生活のなかで、子どもにどういう問題が生じているのか、充分に観察して見つけ出すことなのです。
 心理検査の種類は多いですが、WISC知能検査、K-ABC Ⅱ、DN-CAS認知評価システムの検査のうち1つができれば高次脳機能障害はかなり評価できます。おそらくWISC知能検査が最も広く行われているでしょう。全IQをみるだけでなく、下位項目を分析することで、認知機能を分析することができます。
 必要に応じて記憶検査、遂行機能検査などを加えていきますが、これらの検査はできなくても大丈夫です。
 必要に応じて頭部MRI検査や脳血流検査をしますが、その結果はどのような高次脳機能障害が生じやすいかを判定するのに役立ちます。

栗原まな(神奈川県総合リハビリテーションセンター小児科)2019年5月1日改変

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