日本小児神経学会

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Last Update:2022年12月14日

小児神経Q&A

Q25:日本脳炎ワクチンは受けた方が良いのでしょうか?

日本脳炎は日本脳炎ウイルスに感染することによっておこる急性脳炎です。日本脳炎ワクチン接種により日本では日本脳炎の発症を大幅に減らすことができました。以前、古いタイプの日本脳炎ワクチン接種後に急性散在性脳脊髄炎という重い病気になった方がでたために、2005年から2009年までわが国では日本脳炎予防接種の勧奨を控えていました。その後、培養細胞を材料にしたより安全な新たなワクチンが開発され、現在では日本脳炎の予防接種を通常通り受けられるようになっています。安全ではありますがワクチンですので全く副反応はないわけではありません。日本脳炎は現在でも中国や東南アジアの国々で流行しています。地球温暖化の影響もあり日本でも今後増えてくることも予想されます。日本でのブタの日本脳炎ウイルス抗体保有率は定期的に調べられており、国立感染症研究所ホームページで見ることができます。
http://www.nih.go.jp/niid/ja/y-sokuhou/668-yosoku-rapid.html
日本脳炎ワクチンの標準的な接種スケジュールは1期接種として3歳時に2回とその後1年後に1回の合計3回、2期接種として9歳から10歳の間に1回の合計4回受けることになっています。2005年から2009年の間は任意接種であったために日本脳炎の予防接種を受ける機会を逃している方はたくさんおられると思います。1995年から2006年の間に生まれた方はワクチン接種が不十分になっている可能性があり、特に2002年から2006年生まれの方は1期接種を、1995年から2000年生まれの方は2期接種を受けていない可能性があります。現在、20歳までは日本脳炎の追加接種が公費負担で受けられますので、母子手帳などで予防接種を4回受けたかどうか確認した方が良いでしょう。具体的な方法や接種機関などは各市町村で異なりますので、お住まいの市町村に問い合わせてください。

2022年12月 日本小児神経学会広報交流委員会QA部会

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