日本小児神経学会

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Last Update:2019年5月1日

小児神経Q&A

Q30:重度障害を持つ子どもの便秘はどういうことに注意すれば良いでしょうか?

まず、食事内容や水分摂取量の見直しが大切です。食事はやはり食物繊維の多い食品が望まれます。豆、野菜、海藻、きのこ類などが食物繊維の多い物としてあげられます。また乳酸菌類やオリゴ糖を含む食品にて腸内環境を整えることも大切です。経管栄養をされている場合にも、同じ観点から経管栄養剤の種類や注入水分量などを再検討してみましょう。もし口からの食事・水分摂取がうまく進められない時には、便秘だけでなく脱水や誤嚥による肺炎などにも注意が必要になります。筋緊張の亢進にともなう痛みや、重度障害のお子さんでしばしば見られる夜間の不眠が自律神経に影響し、腸のぜんどう運動を抑えて便秘の原因になることもあります。筋肉の過度の緊張や睡眠障害に的確に対応することで自律神経機能が安定し、便秘も改善したお子さんが数多くおられます。一日の生活リズム全体を見直し安定させることは頑固な便秘に対応していく上でも極めて重要な要素となります。運動を促し、体を起こす時間を設けるような姿勢の工夫が大切です。もし理学療法などを受けられているなら療法士さんと相談するのも良いでしょう。腹部マッサージを定期的に行うのも効果的です。これらの日常的な対応によりうまくいかない時には下剤や坐薬、浣腸などの薬剤を用いることになりますが、その時にも使用する時間帯を一定にして排便習慣を一日のリズムの中に組み込むことを意識するとより効果的でしょう。

(北海道立旭川肢体不自由児総合療育センター小児科 田中 肇/2016年7月QA委員改変)

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