日本小児神経学会

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Last Update:2022年12月16日

小児神経Q&A

Q53:子どもの頭痛に検査は必要でしょうか。

 頭痛を訴えることは幼児期からあります。頭痛は本人しか分からない症状なので、診断にはどの年齢でも問診が中心になります。外来で一番多いのは大人同様子どもでも片頭痛です。この場合検査は役に立ちません。頭部CTやMRIが必要な緊急性のある頭痛は、歩く時ふらつく、手足が動かしづらい、毎日のように頭痛と嘔吐がある、症状が進行している時などです。頭痛の原因として副鼻腔炎などの炎症やまれながら高血圧もあるので、血液検査や血圧測定も必要です。耳鼻咽喉科のほか、眼科や歯科の病気による頭痛もあります。年少児には片頭痛と類似したてんかんに関連した頭痛があり、脳波検査が必要なこともあります。
 一方、毎日続く強い頭痛のため登校できない、頭痛が月に15日以上ある慢性連日性頭痛の思春期の子どもがいます。年少から片頭痛を経験している子が、思春期に入って強いストレスにさらされると頭痛が慢性化する一群です。この心理社会的要因の関与した頭痛は鎮痛薬などが効きにくく難治で、カウンセリングや抗不安薬などが必要なこともあります。頭痛がSOSのサインのこともあるので、検査以外にも、ふだんから子どもの性格や感じ方に気を配ることが、心の問題からくる頭痛の早期の対応につながります。

2022年10月 日本小児神経学会広報交流委員会QA部会

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